【理学療法士・管理職へ】怒りをコントロールするアンガーマネジメント

【オススメ対象者】

1.怒りっぽい自分をどうにかしたい人

2.管理職を目指す人

「またスタッフに強く言い過ぎてしまった…」

「忙しさや人間関係で、ついイライラが表に出てしまう…」

理学療法士として臨床経験を積み、後輩指導やチーム運営に関わる立場になるほど、”怒りのコントロール”は避けて通れない課題になります。患者対応・他職種連携・人員不足・業務過多など、感情が揺さぶられる場面は日常茶飯事です。

同じ環境でも

怒りに振り回されて信頼を失ってしまう人

怒りを上手くコントロールしエネルギーに変換し成果を出す人

この違いは「性格」ではなく、アンガーマネジメントを知っているかどうかで大きく分かれます。

管理職を目指す理学療法士にとって、感情のコントロールは”スキル”の1つ。身に付けていれば、スタッフとの関係性が改善し、職場の雰囲気や成果に直結します。

この記事では以下の内容を解説します。

1.現代にアンガーマネジメントが求められる理由

2.怒りに負ける人・活かす人の違い

3.イライラへの対処法

4.自身の怒りをメタ認知する

「感情に振り回される嫌われる管理職」ではなく、「感情を味方につける頼りがいのある管理職」を目指したい理学療法士の方は、ぜひ最後まで読んでみて下さい。

日本は少子高齢化が進んでおり、下り坂の時代を迎えているといっても過言ではありません。少ない人数で多くの仕事量をこなす生産性が求められています。また、日常生活においても男性・女性共に働きながら育児・介護をするなど、「家庭と仕事の両立」が求められています。

こうした忙しさというものは人から余裕を無くし、「怒り」の感情を生みやすい要因となります。

忙しいとは心を亡くすと書きます。忙しいということ、そのものが人の心を亡くす要因となってしまいます

現代科学技術の発達は便利さ、快適さを実現してきました。スマフォ1つで何でもできる時代となり、非常に便利な時代になりました。しかし、その一方で便利な生活に慣れてしまった人々から「不便さ」「不愉快」への耐久性を奪ってしまう一面もあります。

機器の調子が少し悪い、スマフォの電波が悪い、電車などの交通機関の遅延などでほんの些細なことでイライラすることはありませんか?

怒りが生まれる原因は「価値観の違い」「習慣の違い」によるものが多いです。

「価値観や習慣が違う人とのコミュニケーションは、イライラを伴いがち」です。現代はSNSなどを通じて、いろいろな人と通じることが出来る時代になりました。色々な人と簡単に通じる便利な時代になった一方で、SNSのコメントなどで価値観や習慣が違う人同士が衝突していることをみかけることはありませんか?

価値観や習慣が異なる人同士で通じ合おうとしても、それは非常に難しいもの。価値観が異なると、どうしても根本では分かり合うことが出来ない前提で人と関わることが必要です。

自身のやりたいこと・目的はいったいなんでしょうか?怒りに負けて、「やりたいこと・目的から遠ざかってしまう」ような行動や姿勢をとることは自身にとってマイナスです。

たしかに、求められていないアドバイスを受けたり、上司などから理不尽と思えるような注意・叱責などにイライラすることもあるでしょう!

しかし、ここで語気を強くしたり、逆らうような・素っ気ない姿勢をとってしまえば自身にとってマイナスになってしまいます。もし、今の職場で出世したい・成績を上げたい・評価されたいという目的があるのであれば、怒りをコントロールし愛想よく返事をしたり、上手く対処したりすることが必要です。

本当にやりたいこと達成するために、なにをすべきかを中心に考えることが大切です。

犯罪者の供述で「ついカッとなってやってしまいました」という言葉をよく耳にします。

「ついカッとなって」のきっかけとなる出来事は、冷静な時に考えると人生を台無しにするにはあまりにも些細であることも少なくありません。

「怒り」にかられて、言ってはいけないことを言ったり、取り返しのつかないことをやったりした結果、壊れた人間関係や仕事は元に戻ることは出来ません。「覆水盆に返らず」ということわざがあるように、一度起こってしまったことは戻せません。

怒りをうまくコントロールできてさえいれば、失わなくていい信頼はあるはずです。

一時の怒りによって取り返しのつかないことになることもあることを知っておきましょう!

アンガーマネジメントは「怒らない」ことが目的ではありません。「怒り」はヒトに生まれつき備わった必要な感情であり、ゼロには出来ないからです。

どうせなら、上手く怒りと付き合えるようになりたい」というのがアンガーマネジメントにとって大切なメンタルです。

「全く怒らない上司や親」は、果たしていい上司・親でしょうか?

こう質問されると、時には相手のことを思って、怒ることも時には必要であることは多くの方が感じていると思います。間違っていた時に、必要に応じて「怒る時もある上司・親」は、後々きちんと怒ってもらったから今があると感謝されることもあります。

「全く怒らない上司や親」「怒る時もある上司や親」どちらがよいのか単純な比較は出来ません。しかし、「怒りを活かすことが出来る人」は、感情に流されず理性的に「怒る」と決めて「怒っている」ということです。

日本人は比較的「怒りを抑える」傾向にあると思われます。上司・友人・配偶者などから責められても、比較的「耐える」「我慢する」「こらえる」のです。

怒りを溜め過ぎてしまうと、ストレスで体調を崩したり、「自分はダメだ」という自責の念につなげてしまう人がとても多いのです。あるいは溜め込んだあげく、誰も得しない場面・望まない場面で「キレる」などして爆発してしまう人もいます。

「怒り」という感情は上手に出すという考えを持つ姿勢が大切です。

「怒り」を我慢するのではなく上手に出すことが大事です。しかし、そもそも「怒りを感じる回数が多い」のでは疲れてしまいます。

怒りを上手に出す、出さない以前の問題として「無駄な怒りを感じない」ということも重要です。

人が人に対して「怒り」を感じている場合、それは「価値観の違い」といえると思われます。人は自分が「~~すべき」思っていることを破る時に怒りを感じます。

【例】

1.「残業してでも目標を達成すべき」と思っている人は、「業務時間内でできる仕事をすればよく、プライベートを大切にしている」人にイライラします。

2.「スポーツが上手くなるには限界まで追い込むべき」と思っている人は、「理論で効率よくと考えている」人にイライラします。

仕事・プライベート・スポーツなど様々な場面でのイライラは「~~すべき」の対立にすぎないといっても過言ではありません。つまり、人の対立は「~~すべき」と「~~すべき」の対立と言えます。

「~~すべき」が多い人・強い人ほど、誰かに対して怒りの感情を抱く機会が多かったり、強くなったりします

人は先天的なもの・育った環境や教育などによって価値観はそれぞれ異なるということを知っておきましょう!

人の言動・行動によってイライラした時は、相手が明確なルールを破っているのかを冷静になって考えてみて下さいルールは決まってないけど、自身が「~~すべき」だと思っていることだと感じた時は、相手と冷静になって話をし、お互いの考え・価値観を共有してみて下さい。

「怒りを活かす人」であるためには、ささいな出来事で「怒らない」ことが大切です。そのため、イライラしたとしても、すぐに怒りを消す方法を知っているかどうかも重要です。

怒りの感情を抱いたときに最もやってはいけないことは【反射】です。売り言葉に買い言葉相手の言行に対する舌打ちなどはトラブルを大きくし、お互いの損失に繋がってしまいます。

ムカッとなったうえでの反射にはいいことはありません。

ムカッときても6秒落ち着けば理性的になることが出来ると言われています。そのため、「怒りを感じたら6秒数える」というものがあります。

ムカッときたことでも時間の経過に伴い、怒りの感情は和らぎ、いずれ風化していくのは多くの方が実感しているのではないでしょうか?時間の経過に伴い感情というものは小さくなっていきます。

6秒という時間を数えるだけで、最もやってはいけない【反射】による損失を避けることが出来ます。

怒りを感じた時、落ち着くために”素数を数える”と聞いたことはありませんか?

人の感情は「大脳辺縁系」という感情を司る脳の内側の部分が働き、思考というものは「大脳皮質」という脳の外側にある部分が働きます。思考と感情はお互いに抑制しあう関係もあるため、ちょっとした複雑な思考は感情を抑える効果があると言われています。

自分なりの怒りをそらす方法というものを持っておくことは、怒りを抑える良いテクニックです。ちょっと複雑な思考として他にしりとりをする・国名を想起するなどがあります。

現代は科学技術の発達により便利な時代になっています。そのため、不便さに慣れておらずちょっとしたことで不快に感じてしまいます。ヒトは便利になればなるほど、イライラしやすくなるということです。

そのため、一日携帯を使わないなどの不便さを今一度体験することもイライラを感じにくくなる効果的な方法です。「時間をかけること」「我慢すること」「代替案を考えること」などの不便になれる練習、思い通りにいかない時でもイライラしない練習になります。

体調が悪い時は、どうしてもイライラしがちです。身体が弱っていると、人の身体は防御が必要であるため、身の危険を感じるセンサーが敏感になっているのです。

心身共にゆとりが無いと、ちょっとしたことでイラっと感じやすくなります。いつも真面目に取り組んでいる・気を張っている人は、特に心身のゆとりがないことが多いようです。

毎日の食事や運動習慣、心身共にリラックスできる時間を作るなど体調管理を怠らないようにしておきましょう!

最近「なぜか怒りを感じやすくなっている」「イライラしていることが多い」と感じたら、「心身を休めること」をおススメします。

自身が怒りを感じるポイントを知っていますか?自身の怒りを感じるポイントを知っておくことは、怒りをコントロールする上で欠かせません。

自身の怒りを感じるポイントをメタ認知することは、理性的に怒りの感情をコントロールする第一歩です。

次は怒りを感じるポイントを整理する方法についてお伝えしていきます。

人は意外と自分自身のことを正確には分かっていないものです。「怒り」の感情と上手に付き合うことが出来ない一番の理由も、イライラ・怒りの感情をきちんと理解していないからです。

1.最近、具体的に誰の・どのような・現行に怒りましたか?

2.怒り出した一番のきっかけは何でしょうか?

3.どれくらいの怒りを感じたでしょうか?

こうして考えてみると正確に理解出来ていないのが実感出来るのではないでしょうか?このように「なんとなく知っている」と「正確に理解している」は違うものです。

自身の怒りに対する理解があやふやなのに、コントロール・マネジメントするのは難しいものです。

自身が具体的に怒りを感じたことを記録することで、自身の怒りについて理解を深めていきます。適切にマネジメントしたいのなら、まずはその対象をよく知ること、そのために怒りを記録することは怒りのマネジメントに役に立ちます。

記録する内容は以下のようなことを書いていきます。

1.怒りの感情を抱いた相手と内容:「自分は何に怒っているのだろう?」

2.怒りの感情の大きさや持続した時間:「どれくらいの強さ・長さで頭に来ているのだろう?」

3.怒りの理由となった自身の考え方・価値観:「なぜ、自分は怒ったのだろうか?怒ったにはどのような価値観があったのだろうか?」

時間が経過し記録がある程度溜まったところで振り返ってみると、必ず発見があるものです。

怒りの感情を知る・マネジメントするためには、まずは記録からです。

怒りが大きくなると「相手の何もかもが腹立つ」といった状況になることもあります。そういった時は①怒りの細分化②怒るポイントをしぼる、というように細分化すると効果的かもしれません。

まずは、とにかく怒りを感じる内容を細かく書いていきましょう。そして、細かく書いた内容から「怒るポイント」を絞るために、マトリクスに当てはめていきます。マトリクスに当てはめていく際に、縦軸に「自分で変えられること」「自分では変えられないこと」、横軸に「難易度が高いこと」「難易度が低いこと」にとります。

他人の影響を受ける・難易度が高い黄色の領域は、相手は自身でコントロールできず、難易度が高いため、相手に怒りを感じても仕方がない領域です反対に、自分で変えることが出来る・難易度が低い青の領域は今すぐに意識を変えることで出来ます。この青の領域に関して積極的に相手と話しをしましょう!

相手と話し合った後に、やって欲しいことを「見える化」することをおススメします。

縦軸に「定期的」「不定期」、横軸に「夫の仕事」「妻の仕事」というように分けることで、定期的にやる仕事・不定期にやる仕事を夫・妻で見えるように分担することで、お互いに役割が明確になり、行動しやすくなります。

自身が怒りを感じるポイントは、自分でコントロールできる範囲でしょうか?怒りの中には、政治や政策といった自身ではどうしようもないポイントで怒りを感じることもあるのではないでしょうか?

例えば、日本の一部の政治家に道理が通っていないニュースを見ることで怒りを感じても、その怒りを解決する手段はありません。イライラしながら、仕事や家事をしていては自身や周囲の人にとってマイナスになってしまいます。

社会への怒りなどを感じることはたしかに大切ですが、それが自分の仕事や生活の本流を阻害するようなことになってしまえば本末転倒です。

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