【オススメ対象者】
1.パワハラと指導の違いが知りたい
2.管理職を目指したい

「これは指導のつもりだったのに、パワハラと言われた…」

「厳しく伝えないと成長しない。でも、どこまで許されるのか分からない…」
理学療法士として後輩指導やチームマネジメントに関わる立場になると、”指導”と”パワハラ”の境界線に悩む場面は必ず出てきます。特に医療・リハビリ現場は忙しく、感情的になりやすい環境でもあります。知らず知らずのうちに、自分の言動がパワハラに該当してしまうリスクもゼロではありません。
一方で過度に萎縮してしまい「何も言えない管理職」になってしまえば、スタッフの成長や職場の質は低下してしまいます。大切なのは、正しい基準を理解し、適切な指導を行うことです。
本記事では以下の内容についてお伝えします。
1.パワハラと指導の3つの判断基準
2.パワハラの具体的な6つの類型
3.パワハラになっていないかセルフチェックリスト
4.指導をパワハラにしないために必要なこと
5.健全な職場環境をつくろう
「後輩・部下を守りながら、自分自身も守れる管理職」になれるために、ぜひ最後まで読んで下さい。
結論:パワハラと指導の3つの判断基準

言動の内容が業務の改善のために合理的なものか
言動が従業員や組織を育てる目的で行われたものか
言動が相手の人格を否定する内容が含まれていないか
言動の内容が業務上必要な範囲であったかどうかがポイントです。言い換えてしまえば、業務上必要な指示・指導であり、合理的であればパワハラには該当しません。

仕事とは関係ないギャグやお笑いを強要したりといったことはパワハラとして受け取られてしまう可能性があります。
指導が社員・組織を育てる目的で行われたのかもポイントになります。将来的に社員や組織が成長し、組織に貢献できるように適切な範囲で指導する分にはパワハラには該当しません。

人前で過剰に叱責したり、「アホ」「これだから〇〇は~」といった相手の人格を否定するような内容が含まれているとパワハラに該当しますので要注意です。
パワハラの具体的な6つの類型

身体的な攻撃:暴力・傷害
殴る・蹴る・突きとばす・胸ぐらをつかむ、丸めたポスターで叩くなど
また、殴る・蹴るといった身体に直接力を加えるだけでなく、意味なく立ちっぱなしで仕事をさせるなど、仕事の関係を問わず身体に危害を加える行為も含まれます。

意味なく休ませない。身体に負担をかけるような業務方法の指示なども身体的なパワハラに当たるのでやめましょう!
精神的な攻撃:脅迫・名誉棄損・侮辱など
仕事に乗じて人格・尊厳を否定する言動
「無能」「アホ」「使えないな」といった相手を馬鹿にする言動、「クビにするぞ」といった脅す言動などは精神的なパワハラに該当します。また、同僚たちの前で必要以上に叱責したり、他の社員も見ることが出来るチャットで罵倒、業務上の範囲を超えた指導なども当てはまります。
業務の指示のなかであっても、業務に必要であり合理的な言動・指導を超えてしまえば、パワハラに当たるので気を付けましょう!

同僚たちの前で叱責したりしてませんか?叱る時は、他の人がいない場所に移動してから叱るようにしましょう!
人間関係の切り離し:隔離・無視など
席を隔離する・意味なく自宅待機を命じる・忘年会や送別会といったイベントに出席させない・仕事に必要な書類を配布しない・質問に答えないなど
業務上必要がないのに、物理的に距離を置くようにしたり、イベントに参加させないようにしたり、業務上で無視をしたり必要なものを配布しないといったことがパワハラになります。業務上の観点からも不合理な扱いが含まれます。
仮に業務に従わないからといって、無視をしたり、質問に答えない、必要なものを配布しないといった行為は正当化されません。

相手に非がある場合でも、必要なものを配布しないなどの対応はパワハラに当たるのでやめておきましょう。
業務範囲を超えた要求
明らかに無理なスケジュールを課す、明らかに捌ききれない業務量を押し付けるなど
能力や経験を明らかに超える無理な指示により、他の社員よりも著しく業務を課すことが含まれます。業務上明らかに達成不可能なスケジュール、終了間際に過大な業務を毎回押し付けるなどが当たります。
加えて、1人では無理でも人数をかければ捌くことが出来る業務量を、不合理に適切な措置をとらないといった行為も該当します。
過小な要求:合理なく能力とかけ離れた低い仕事を命じる
リハビリと関係ない仕事ばかりさせる、単純作業しか与えないなど
療法部として採用されているにも関わらず不合理にリハビリ業務を与えない、単純作業しか与えないといった本来の専門性が活かされない内容ばかり命じるなどです。全く業務を与えず放置することや、業務上明らかに不要な内容を命じることが含まれるようです。
プライベートの侵入
個人の宗教や信仰についてしつこく問う、しつこく交際相手に迫る、しつこく予定を聞いてくる、携帯電話を覗き見るなど
業務とは関係ない範囲でしつこくプライベートに関することや宗教・信仰などの個人的な思想について聞くなどがパワハラに当たる可能性があります。また業務時間外のプライベートな時間で無理に飲みに付き合わせたりすることもパワハラに当たる可能性があると言われています。

”しつこく”という部分に要注意です!一回聞いたくらいでは問題ないかもしれませんが、一度聞いて、はぐらかせたりしたら、それ以上は迫らないように気を付けましょう!
パワハラになっていないかセルフチェックリスト

1.業務上必要なことか?
2.やりすぎになっていないか?
3.心にゆとりはありますか?
4.相手のため・組織のためを思っていますか?
後輩・部下を指導する前に上の項目をチェックしてみましょう!
後輩・部下の指導の前に業務上必要なことか、合理的な範囲かを確認しましょう。
もし、業務の範囲を超えていたり、不合理な指導になっていたらパワハラになっている可能性があります。
自身の心身にゆとりがあるのかをメタ認知しましょう。人は心にゆとりがないと、感情の制御が難しくなります。一度深呼吸して、冷静に自身の心身の状態を確認してから指導を行うことで、適切に・合理的に指導を行う手助けになります。
指導は相手や組織のために行うものです。自身の感情を発散するために叱責することは絶対あってはいけません。この指導が相手・組織の成長に繋がることを期待しているかチェックしましょう!
指導をパワハラにしないために必要なこと

指導が業務上必要であり、合理的な範囲で行うことは大前提です。その前提を基に指導を行いますが、現実的に指導方法が適切なのかに加えて、”誰が指導するのか”、”指導方法が相手に合っているのか”も大切なポイントです。
信頼関係を構築しておく

職場において指導とパワハラと思われないためには上司と部下の間に築かれる「信頼関係」が非常に大切です。
信頼関係が構築されている関係では多少厳しめの指導でも、自分の成長の機会として受け止めれくれます。しかし、信頼関係が構築されていないと相手は萎縮してしまいパワハラと受け取られてしまう可能性があります。そのため、パワハラを防止するためには普段からの信頼関係の構築が必要不可欠です。

上司と部下の信頼関係を構築するためには、”一貫性”と”公平性”が必要不可欠です。
部下に特性に応じて指導方法を工夫する

一貫した態度・公平な評価基準は部下から信頼を得る上で欠かせません。しかし、部下全員に全く同じ指導方法を行えばよいというわけでもありません。部下がミスをした時は、「何が問題だったのか?」・「どうすれば同じミスをしないのか?」と問いかけを通じて指導を行うことで、建設的な指導が出来るようになります。
また、部下の経験年数によって指導方法は異なってきます。
経験値の少ない新人・若手:具体的な方法や道筋を示しながら手厚いサポートが必要
経験豊富な社員:自主性を尊重しながら、課題解決を促す指導が求められます。
健全な職場環境をつくろう
指導書の作成と指導方法の研修

パワハラは個々の問題として捉えがちですが、組織全体としてパワハラを防止するような組織作りが非常に大切!
組織が率先して、指導の手引きやマニュアルの作成、指導の研修などを通して浸透させることが必要です。パワハラを防止するといった内容に加えて、より良い指導を行うには?といった積極的視点も入れることで、組織の前向きな空気を生み出す手助けにもなります。
相談窓口の設置

パワハラと感じた被害者が相談できる窓口を設置することでトラブルが大きくなる前に対処することができます。
被害を感じた人が相談出来ずに、積み重なってトラブルとならないように最初の段階で対応できるように相談窓口を設置したいものです。しかし、組織の規模から設置が難しいということもあるでしょう。相談窓口の設置が難しいという場合でも、上司が率先して相談できるような空気管や相談に乗ることを公言することで部下は相談しやすくなります。

