【転職】回復期リハビリ・老健・通所リハビリ・訪問リハビリの理学療法士の業務と経験

【オススメ対象者】

1.理学療法士・作業療法士として転職を考えている

2.他の部署に異動を考えている

今の職場で働いていると「もっと自分にあった環境があるのではないか」と考えたり、キャリアアップなどの転職を考えたりすることもあるのではないでしょうか?

急性期・回復期・生活期と働く環境は多様で、それぞれ業務内容も求められる経験も大きく異なります。

本記事では転職・異動希望を考えている理学療法士に向けて、あくまで個人的な経験ですが、業務内容や経験談をお伝えしていきます。

「自分に合う職場はどこなのか」「将来キャリアにつながるのはどの分野か」ーーそんな疑問を整理するヒントとして、ぜひ参考にして下さい。

回復期リハビリテーションはリハビリの効果が最も期待出来る段階であると思われます。患者さんは状態が安定した方がリハビリ病院に転院してくるため、急性期病院よりはリスクが低いため若手が働きやすい環境です。

また、徐々に患者さんが元気になってくる姿を見ていくと元気が出てきます。「患者さんを相手にリハビリの仕事をしたい!!」という方は、回復期が向いているかもしれません。

私が経験したリハビリテーション病院では、管理職が病棟スタッフのスケジュールを管理・調整します。一日のリハビリをする対象者と時間が決まっているため、基本的に組まれたスケジュールをこなすことで一日が終わります。

リハビリ病院ではリハビリの単位数をこなすことが病院の収入に繋がります。そのため、病院の経営的視点から出来るだけ単位数をこなすことが求められます。リハビリの単位数は法律上、1日24単位(8時間)、1週間で108単位(36時間)までと決まっています。そのため、リハビリ病院では一日に18~22単位を目安にリハビリをこなすことが多いようです。

患者さん個々の一日に出来るリハビリ上限時間は決まっており、2025年時点で脳卒中・廃用症候群では1日に最大9単位(3時間)運動器では最大6単位(2時間)となっています。

多くの場合、脳卒中患者は理学療法士・作業療法士・言語聴覚士の3職種で3単位ずつ(1時間)リハビリを行い、廃用症候群では理学療法士・作業療法士が3単位×2回(2時間)・3単位×1回(1時間)と分けてリハビリを行います。運動器では理学療法士・作業療法士で2単位(40分)×3と分けることが多いです。

リハビリ病院は患者さんの生活の再獲得に向けてリハビリに特化した環境です。そのため、集中してリハビリに取り組めるようにトータルのリハビリ時間が長いことが特徴です。

リハビリ病院の患者さんは”転倒による骨折”や”脳出血や脳梗塞などの脳卒中”、”その他の疾病により身体が弱ったことによる廃用”などが対象です。受傷・発症により日常生活を送ることが難しくなった人が対象であり、病院によりますが年齢性は高めなところが多いです。

そのため、リハビリ病院に転院してくる患者さんは望んで入院・リハビリ病院に転院した方ではありません他の環境と比べて心身共に弱っていたり、閉鎖的な空間・決められたスケジュールでストレスが溜まっている方が比較的多くなります。

「入院生活でフラストレーションが溜まっている患者さん」・「認知症などにより入院していることが分からずリハビリを拒否する患者さん」がいらっしゃいます。そういった方々も上手く対応しリハビリをこなしていく能力が必要になります。

やる気に満ち溢れた患者さんもいらっしゃいますが、ストレスが溜まっている人やリハビリ拒否をする人などを対応することも多いため、対人のストレスが溜まりやすいため注意が必要です。

理学療法士
理学療法士

様々な人を相手にするため、自身の情動をコントロールすることが求められます。

理学療法士は情動労働とも呼ばれ、情動を制御することが求められるため、見た目以上に疲れやすく、ストレスがたまります。

リハビリ病院では患者さん一人当たりのリハビリ時間が合計2~3時間と長いため、リハビリの担当数は他の職場環境と比較し少な目になります。そのため、一日にリハビリする患者さんの人数・時間から担当する患者さんは3~5人となることが多いです。比較的担当する患者さんの人数が少ないため、患者さんの情報や状態は把握しやすくなります。

リハビリ病院はリハビリに特化した環境や設備が整っており、環境や設備不足でリハビリ内容に困ることは比較的少ないです。また、ドクターや看護師が常駐しているため、患者さんの急変時には対応してくれるため比較的安心して働くことが出来ます。

リハビリ病院では看護師と連携をとることが多く患者さんの状態や能力を共有し、患者さんを徐々に自立させていきます。時には看護師から担当する患者さんの「移動が自立出来ないか」などの相談を受けることもあります。

理学療法士
理学療法士

どのような職場環境でもそうですが、リハビリ病院では特に看護師やドクターと連携することが求められます。

リハビリ病院では担当する患者さんの計画書や定期カンファレンスに関する情報入力、入院・退院に必要な情報入力などがあります。担当する患者さんの入院時期はバラバラなので、担当する患者さんに応じて書類を作成します。

回復期リハビリ病院は担当する患者人数が少なめなので、書類作成や期日に関しては管理しやすいと言えます。

また、こういった書類は多職種と共同して作っていくため、万が一忘れていたとしても声がかかります。そのため、忘れていたとしても大事になることはほぼないと思われます。

介護老人保健施設を簡潔にいうと、回復期リハビリ病院と在宅の中間のイメージです。リハビリ病院ほどリハビリに特化した施設ではなく、あくまでも生活を中心とした環境です。

介護老人保健施設ではリハビリにより心身の自立を促すというよりは、生活の中で心身の自立を促していく環境です。そのため、介護老人保健施設の中心は療法士ではなく介護士となります。

私が経験した介護老人保健施設では一日にリハビリを行う利用者のみ決まっており、リハビリする時間はリハビリ病院とは異なり決まっていませんでした。1日に18~20人程の利用者のリハビリを行うことが多く、施設を回ってリハビリ予定の利用者さんに声掛けしリハビリを順次行っていきます。

リハビリを行う時間は決まっていないため、どの時間帯に、どの利用者のリハビリを行ったり、仕事をどのよう進めていくかは自由です。

個人的な感想ですが、スケジュールが決まっておらず時間の過ごし方は自由の一方で、一日の就業時間以内にリハビリを行う利用者さん全員を回らないといけないため、タイムプレッシャーがありました。

午前中に9人済ませておきたかったけど8人しか出来なかった時は、午後に少しタイムプレッシャーを感じました。また、利用者ごとにリハビリを行って欲しい時間帯の希望がある場合があり、利用者を回る順番の工夫が必要でした。

時間管理に自信がある方は向いているかもしれませんが、私のようにタイムプレッシャーを感じる方は少しストレスを感じるかもしれません。

回復期リハビリ病院と比較し自由に過ごしている利用者も多い為、ストレスによりイライラしている人やリハビリ拒否をする方は比較的少なくなる印象です。しかし、リハビリ拒否をする人が全くいないわけではありません

利用者の場所まで行きリハビリの声掛けをしたのに、リハビリ拒否されたので別の人で一旦リハビリを行い、後々時間が経過してから再度リハビリの声掛けをするということも珍しくありません。

利用者ごとの特徴を理解し、比較的リハビリを行ってもらいやすい時間帯や誘導しやすい声掛けといった工夫を個別で行っていくことが求められる印象です。

私が経験した介護老人保健施設では療法士1人当たりの担当する利用者は約16~20人程度が多かったです。16~20人を担当するため、リハビリ病院と比較し利用者の特徴や経過、今後の流れを全員把握しておくのは少々大変かもしれません。

経験を積んでいけば慣れていきますが、最初は担当する人数に戸惑うかもしれません。

リハビリ病院は看護師と連携をとることが多いですが、介護老人保健施設は介護士が中心です。そのため、日ごろの連携は介護士ととっていくことが多いです。介護老人保健施設から自宅に向けて退所させるために、施設内の生活の中で自立を促して欲しい所や転倒リスクの高い所、誘導して欲しいところなどを積極的に共有していきます。

また、介護老人保健施設はリハビリ病院と比較し患者・利用者の人数に対してスタッフの人数が少ないです。利用者50人に対して、介護士が5人など少ない人数で対応していくことが求められ、利用者の独力を止めたりするなど療法士も手伝う場面は多々あります。

時折、ケアマネージャーと話し合いを行ったり、外部の福祉業者と連携をとったりなどの外部とのコミュニケーション能力が求められ、社会人マナーも求められます。

また、入所されてきた利用者の家を調査するために訪問することは多々ある為、車の運転に慣れておくとよいかもしれません。

介護保険分野はリハビリ病院と比較し書類業務が多くなる印象です。担当する利用者も多いため、書類業務も非常に多くなり、書類の期日を把握しておくことが大変です。

頭の中だけで書類業務を完璧にスケジュールや進捗を管理することは難しいため、自身できちんと管理出来るように工夫することが求められます。日々、時間の過ごし方は自由であり、リハビリをこなしながら、書類業務も進める。非常に時間に関して自由度が高い環境ですが、その分自分自身で仕事を管理・把握する能力が必要です。

スケジュール手帳を利用すると書類業務の締め切りや進捗は管理しやすくなる印象です。

通所リハビリは自宅で過ごしている方が、現状の身体機能や生活能力を維持・向上させる目的で利用しています。自宅で過ごしているため比較的ストレスが少なく、リハビリ病院・施設と比較し明るく過ごしている割合が多い印象です。

通所リハビリは基本的の担当している利用者が、通所リハビリにおられる時間帯の内にリハビリを行います。通所リハビリを提供している施設によって異なりますが、利用者が決まった時間に施設に訪れて決まった時間に帰る。このサイクルを複数回繰り返す施設一日を通して利用者ごとに利用開始する時間帯や利用時間が異なるところもあります。

前者の利用者全員が決まった時間に来て帰るサイクルは、そのサイクル内に来訪している利用者のリハビリをすればよいため、時間の管理が行いやすいです。しかし、後者は個々で開始時間や帰宅時間が異なるため、利用時間の短い利用者さんがリハビリを受けられないということが無いように、リハビリの順番や時間を把握する必要があります。

通所リハビリは人手が足りない時はリハビリをこなす人数が多くなり、少しタイムプレッシャーを感じるかもしれません。

リハビリ病院・施設と比較し状態が安定している方が多くなります。通所リハビリの特性により異なりますが、リハビリ特化型の施設では自立している方が多く、リハビリに意欲的な方が多くなる印象です。施設によっては要介護で介護が必要な人を中心にリハビリを行う場合もあるかもしれません。

また、通所リハビリに来られる方は楽しくリハビリをしたいという方が多いため、楽しい雰囲気作りが大切です。リハビリ病院の心身弱った相手の気持ちに寄り添うコミュニケーション能力とはまた違ったコミュニケーション能力が求められます。

私が所属していた通所リハビリでは療法士1人あたり約30人あたり担当していました。担当する人数が多いため、把握しておく書類業務なども必然と多くなります。日々リハビリを行いながら、空いた時間で書類業務を行う。そういった時間の工夫が求められます。

通所リハビリの施設によりますが、利用者さんはリハビリをしに来ているため最低限以上のリハビリ設備は整っています。

個々で利用者を担当するため、リハビリ病院・介護老人保健施設ほどは同一施設内での利用者の情報を共有するなどの連携は求められない印象です。しかし、ケアマネージャーと情報を共有することは多くなり、利用者の変化などがあればケアマネージャーに電話するなど外部の人とコミュニケーションをとる能力が求められます。

そのため、最低限の社会人マナーを身に付けておく必要があります。

また、サービス担当者会議といいケアマネージャーを中心とした会議を利用者の自宅で行うこともあるため、車の運転が求められる時もあります。

担当する利用者が多いため、管理する書類は必然と多くなります。施設によっては利用者との契約を療法士自身で行わないといけないところもあるため、利用者に関する書類業務を管理するのは少々大変かもしれません。

訪問リハビリは車や自転車などを用いて利用者の自宅まで行き、リハビリを行う環境です。個々で自宅までリハビリをしに行くため、リハビリだけでなくリスク管理能力生活環境や動作指導など、ケアマネージャーとの連携能力が求められます。

訪問リハビリは利用者ごとに訪問する曜日と時間が決まっており、特に予定の変化がなければ決まった時間に訪問し、リハビリをこなしていきます。

訪問リハビリは利用者の家に行ってリハビリを行ってくるため、療法士・曜日ごとに出発する時間帯や休憩時間・帰宅時間が異なります。利用者の住所やリハビリ時間によって、早く戻ってこれたり、時間ギリギリに戻ってくるということもあります。

また、訪問する利用者の住所・リハビリ開始時間によっては少し休憩することも出来るため、道中コンビニにトイレ休憩に行ったり、車の中で休憩が出来る時もあります。一日業務スケジュールが曜日で異なる為、それが飽きない・楽しいという側面もあります。

訪問リハビリは自宅でリハビリを行うため、「重症者で気軽に外出が出来ないため自宅に来てもらっている利用者さん」「自宅内生活は自立しており能力維持のために自宅周辺の外歩きを行う」など利用者さんの身体能力は訪問先で大きくバラツキがあります。

また、訪問リハビリではリハビリを行う利用者さんだけでなく、その家族とも関わることも多くあります。リハビリ病院・施設などのホームとは異なり、相手の家というアウェイの中で関わるため、色々な方がいらっしゃいます。様々な人と上手く関わっていく能力が非常に求められます。

一日に訪問する件数は4~6件であることが多く、平均して1週間で25件訪問します。1週間で2回訪問する利用者もいらっしゃいますので、勤務先・その時の契約数にもよりますが担当は20~25人になることが多いと思われます。

担当数が多いため、書類業務やスケジュール変更の対応やケアマネージャーとの連絡など管理するものが多く、仕事の管理能力が問われます。

事業所や訪問先によって移動手段は異なります。車で訪問をOKしているところもあれば、原付で訪問している事業者もあります。

自転車や車で自宅まで訪問しリハビリを提供する特徴から、夏場は暑さ・冬は寒さに耐える必要があります。病院・施設のような空調が整った環境下で仕事をするわけでなく、移動し自宅でリハビリを行うため環境の変化を大きく受けます

夏場の車は車内温度が高く、熱中症に気を付けなければいけません。冬は車内温度が低く、寒さに耐えなければいけません。また、朝に出発する時には車のフロントガラスが凍っており、氷を取り除く作業から入る時もあります。

また、車などの道中の移動では事故などに気を付けなければいけません。車の運転に慣れている方であれば共感いただけるかもしれませんが、危ない運転をしている方は意外と多いものであり、事故には十分に気を付けなければいけません。

訪問する利用者の中には、掃除が行き届いておらずゴミが散乱していたり、散らかっている家もあるため、潔癖症な人は難しいかもしれません。

訪問リハビリは特にケアマネージャーと連携をとることが多く、利用者の転倒や体調変化、福祉用具の変更、訪問リハビリの日時に変更などがあった際は連絡をとらなければいけないことが多いです。外部との連携が多いため、非常に社会人力とマナーが求められることになります。

リハビリ病院や施設とは異なり、リハビリを行うための設備・道具はそろっていません。療法士が持っていくことが出来るものに限られてしまいます。そのため、利用者の能力・希望に応じて、限られた環境下でリハビリを提供する能力が求められます。

訪問リハビリは管理するものが非常に多いです。担当する利用者さんが20~25人となるため、書類やスケジュール調整が非常に大変です。

【管理するもの】

1.利用者さん全員の計画書・ケアマネージャーへの報告書などの書類業務

2.利用者からの休みや日時変更があった際のスケジュール管理

3.車をコインパーキングに止めるためのお金の管理

4.ガソリンの残量管理など

基本的に自分自身で全て管理しなければいけないため、自己管理能力が非常に求められます。自己管理に自信が無い人は訪問リハビリは難しいかもしれません。